Aイチの引越し体験

まだ引越しのこと書くのか?と思われるでしょうが、まだ書きます(しつこい女だ・・・)
今回は我が家のプリンス、Aイチ様のお引越しについて・・・。
今でこそ新居を満喫していますが、私の中では一番大変・・・
そして、Aイチとの絆が確認できた重大事件でもあったわけです。


我が家のシャイなAイチ(5歳半・♂・シャム猫)の引越しが、
実は一番の気がかりであるというのは、引越し前の記事にも書いたのですが、
何故かというと、
1.本来かなり人見知り+怖がり
2.私と相方にしか懐いていない。特に怖くてどこかに隠れたり、脱走したりすると私の声にしか反応しない。
3.大きな音、大人数の人がいる場合は、隠れてしまう
4.去勢後は外にも出ない

・・・ということもあり、引越しなんて言う事態の場合、
家のどっかに隠れて出てこない、もしくは脱走が考えられる事態でした。
おまけに、キャリアに入れるのも年に一回の獣医さんへの検診の時のみなので、
慣れてないし大嫌い。


猫の気持ちになれば、そりゃそーでしょう、と思うし、
引越しなんて、まさに人間のエゴ、そのもの。


当日、私の部屋の荷物を早々に運び出して、そこにAイチを入れておき、
荷物の運び出し、トラックへの荷積みが済んで、新居に動く直前にキャリアに入れ、
私の運転する車に乗せて移動する・・・という段取りだったのですが、
私の部屋の荷物は段取りどおりには運んで貰えず、
結局、荷物があるのに、Aイチに私の部屋に居て貰うことに・・・。
そして、荷物を運び出す為、私の部屋を開けなければならない時、
まだおとなしかったAイチを、ベッドルームに移したのですが、この部屋、
ドアの立て付けが悪いので、きちんと閉まらない部屋だったんです!!(おんぼろ家の悲劇・その1)


閉めたつもりのドアが開いてしまい、Aイチは、すぐさま地下の、
大家のがらくたが積みあがるランドリールームへ・・・。
このランドリールーム、大家が昔やっていたビジネスで使用していた
足踏みミシン10数台が山になっていて、電気も無いというすごいところで、
家の中の秘境。猫しかいけないスポット多数(おんぼろ家の悲劇・その2)
結構大きいスペースなんですが、見事ながらくた置き場の奥の、奥に隠れてしまいました・・・(涙)


その後、引越しの荷積みをする中、
私は10分おきくらいで、Aイチの様子と説得をしに地下に降りておりました。
ミシンの山の一角に、明り取りの窓があり、その側にAイチの姿を発見。
「Aちゃーん、ごめんね〜。怖かったよね〜。マミーが悪かった。だから降りてきてっ、お願いっ!」
と、猫相手に懇願する私。気持ちは、立てこもる犯人の説得を試みるデカの心境にも似てましたが・・・。
Aイチ様の心の声は、
「なんだよ〜、あんな部屋に閉じ込めてくれちゃって、困るんだよな〜」(と思っていたと思われる。飼い主の想像)
でも、それでも、私の声には反応してくれ、ちょっと気持ちを許してくれ、
私が、ミシンの山を乗り越えながら近づいても逃げないので、
「今だ!」
とばかりに、むんずっと首根っこを捕まえ(母ネコが子猫を運ぶ時につかむ場所)、
「誰か〜、キャリア開けて〜」
と叫んだ瞬間(飼い主の間違い・その1)
Aイチは、事態に気がつき、大きく抵抗・・・・(涙)
キャリアの中に入れようと、必死に押さえつけてしまい(飼い主の間違い・その2)
抵抗に負けて私の手を振りほどき、Aイチはまたもや、ミシンの山へ逃走。


結局、Aイチは引越しクルー(=相方の家族・友人)が出発するまで隠れ続け、
私は後発で、Aイチを捕獲次第、新居に向かうことに・・・。
静かになった空っぽの家の中で、ミシンの山の部屋に向かって、
暗闇にささやきモードで、Aイチを呼んで見ると、
「にゃーん」
なんと、最初に捕獲失敗したあの明り取りの窓の下におずおずとAイチが登場。


またもや、説得するデカと化する私。
「Aちゃん、ごめんね・・・ほんと怖かったよね・・・。」
「マミーが悪かったよ・・・ほんと。」
と、涙ながらに、近づくと、Aイチも
「マミー・・・そんなことないよ〜」(と言っていたと思われる。飼い主の想像・その2)
と、ちょっと情にほだされたかのように(見える)抵抗なく私の接近を許すAイチ。


「・・・・・ごめんっ」
先ほどと同じように、またもや首根っこを捕まえて捕獲し、
キャリアの中へ、お尻から後退させる形で入れると、
そこで、はっと我に返ったAイチ。
「ちくしょー図ったな〜っ!!」(と言ったと思われる。飼い主の想像・その3)
「ごめんね〜、ごめんね〜。ちょっとの辛抱だから許して〜っ。」
半泣きの飼い主の私。


速攻で、車にキャリアを移動し、発進。
その後1時間、車の中で啼き通しだったAイチ。
新居に無事到着し、地下室(今回はがらくたは無い。もちろんミシンも無い。ドアもちゃんと閉まる)に連れて行き、
キャリアを開けると・・・・出てこない。
触ってみると・・・硬直してる!!
もしやあまりのショックで心臓麻痺でも起こしてしまったのかと、キャリアから引き出してみると、
生きてたっ!!
飼い主の私、号泣。


その後、おトイレと餌入れボウルと水を置いておき、私は引越しに戻りました。
引越しクルーの皆様が帰り、やっと静寂が訪れた頃、
地下室に行ってみると、Aイチはキャビネットの下に隠れてしまっていたようで、
姿は見えず・・・
「しょうがない・・・しばらく顔を見せてもらえなくても仕方ないな・・・」
と、飼い主の私は落ち込みつつも様子を見ることに。


翌日、地下室に行ってみると、トイレを使った形跡とご飯を食べた跡があった。
「よかったっ!!生きてる!」
その後、隅っこに古いキャビネットの下の隅っこに隠れているのを発見したので、
抱っこしてみると、大分落ち着いているようで安心。
その日の午後、私と相方が片づけをしていると、そろそろっと部屋に上がってくるAイチを発見。


徐々に、行動範囲を広げ、2日後にはそろそろっと家の中を探検するようになったAイチ。
トイレや餌場も地下室からランドリールーム(もちろんガラクタもミシンの山も無い(しつこい?))に移動しても、
ちゃんとすぐに場所も覚えたし、
朝早起きして、窓の外に向かって雄叫びを響かせるほどになった。
(相方いわく、外の動物達に、「ここは俺様のテリトリーだっ!」と宣言しているのだとか。)


今では引越しの事なんてすっかり忘れたかのように、いつもどおりのAイチに戻りました。
赤ちゃん返りにもちょっと似ていて、5年半前、我が家に貰われてきた時と同じように、
私の後をくっついて歩いています。


思うに、前の家から家具類を持ってきた物が多かったのも、順応が早かった一つの要因かな?と思います。
前の家の匂いがする物が多いと、猫も安心する度合いが高いようです。


ということで、飼い主のエゴで引越しを余儀なくされた飼い猫のAイチ。
飼い主の思う以上に順応は早く、
よく言われるマーキングなども無く(猫はテリトリーを示す為に、環境が変わるとお粗相をしやすいと言われています。)、
きちんと自分のおトイレも使い、食欲も旺盛。
とても元気です♪


ということで、長々と実況しましたが、我が家のプリンスの引越しはこうして無事完了したのでした。