夫の葛藤

最近わかったこと:

アメリカ人の夫にとって、「仕事もしない」「産後太りも解消しない」妻の姿は、怠け者以外の何者でもなかったようで、共働きが当たり前の世界で生きてきた彼にとって、専業主婦というのは、毎日遊んで暮らしているとしか思えないというストレスから、私が離職してからは、夫婦喧嘩が増えました。
夫は、随分横暴に見えましたし、実際、非常に私の行動について逐一管理したがったというのもありました。
私は私で、そういう彼の態度を見て、私が仕事をしないということで、こんな思いをしなくてはならない理由を一生懸命探しました。改めたいと思ったし、でも自分が一生懸命子育てして、家の中のことをやってるということについても認めて欲しいと思っていたので、時には反論し、火に油を注ぐ結果となってしまったこともたびたびでした。実際、意地になって掃除に燃えたこともあり、今までにこんなに片付いたことはないんじゃないかというくらい家が片付いたのは結果としてよかったとは思いますが、喧嘩はやっぱり嫌なものです。特に夫の場合、カッとなると本当に傷つくことをバンバン容赦なく言ってくるので、時々本当にこの人は人としてどうなのかと、心配になることもあります。最近は頻度は減ったもののやはり何かの拍子に不満が爆発することもありますし、私が復職できていないことについても、チクリといやみを言われることもあるのは事実です。
ちっちゃい男だな・・・正直そう思ってました。私が家にいることで、デイケア代は浮いてるはずですし、家の中のことも食事の支度も普通にしているけれど、彼にとってはそれは、息子の世話も家事も人を雇えばやってもらえることなので、大した意味が無いと言うんですね・・・。(でも、雇ったらいくら払わなくちゃいけないことなのかということについては言及せず(笑)多分したくない。したら私が家に居ることを肯定してしまうから)


先日、フリーアナウンサー小島慶子さんがテレビに出ていらして、ご主人が専業主夫になると宣言した時の彼女の葛藤について話してらしたのを聞いて、「あぁ、うちの夫が感じていたのは多分これだなぁ」と改めて理解しました。小島さん曰く、「自分がまさか一家の大黒柱になるなんて、そんなプレッシャー感じたくない。嫌だ!こんなはずじゃなかった!こんなの自分の人生設計に入ってない!」と思ったのだそうです。その葛藤の真っ只中の頃は、旦那様にも辛く当たったりしたこともあったと、仰ってました。

うちの場合、男の夫がそういうことを考えたなんて言うと、非常に男気の無い男のように聞こえますが、元々自分の人生設計の中に、自分ひとりが全てを背負うなんてプランは無かったんだと思います。だから、私が無収入になること、彼が収入の全てを担わなければならないこと、という選択肢は考えられなかったし、とても不当に思えてしまうわけです。彼の育った環境では、母親は子育てしてればいいという考えはありませんでした。実際彼の両親はずっと共働きで、とても頑張って今ある財を成した人達でもあります。なので、彼にとっては家で子供と家のことだけやっている私の立場は有り得ないことで、自分だけが家族の生活を養う責任を負うこともそれはそれは恐ろしいことだったのだと思います。でも、彼はプライドも高いのでそれを私に言うことはしません。もしかしたら、その恐怖について自覚すらしていないかもしれないので、ただ単に、私のことを見てイラつくし、自分はもっと敬われるべきだと主張したくなるのかもしれません。


ということで、ふとしたことから、夫の葛藤の意味が理解できたような気がした最近の私なのでした。