郷に入っては郷に従え

「郷に入っては、郷に従う」ことも、
「時と場合によっては」という但し書きが必要になった。

私の価値観や考え方は、30数年過ごした日本での生活によるところも大きい。
学校で会う
「私、最近日本語がおかしいんですよ。日本への里帰りが不安で」
という二十歳前のお嬢さん達のようなことは起こりえない。
彼女達は、自分達も周囲のアメリカ人と同じ価値観を持つことで、
溶け込んでると思うのかもしれないが、
私は、周囲が「日本人である私」という違いを理解してくれる人と
付き合うことを選ぶからだ。
私がどんなに頑張っても「純正アメリカ人」になれないということを、
知っているから、無理に頑張ってアメリカナイズされる必要も無いと、
開き直ってるのかもしれない。
思えば、あまりかわいくない話かもしれないけれど。


別にアメリカを否定している訳ではないし、快適に過ごしている。
でも、やっぱり私は、お酒を飲んで、夜小腹が空いたら、
ホットドッグやポテトチップスを食べたくはならないのだ。
私はやっぱりお茶漬けやラーメンを食べたい。
にんじんは好きだけど、カリフラワーは嫌い、
くらいの違いと思ってもらっていい。


郷に従う場合というのは、「車は右側を運転する」ことだったり、
「会った時にハグや握手する」ことだったり、
「食事をしたらチップを払う」ことなどだ。
彼らの社会のルールを、私が日本人であるがゆえに曲げようとは思わない。