エイリアン

決して、あの映画の「エイリアン」のような化け物の話では無い。
英語でalianとは、その国の国籍を持たない人、外国人のことだ。
だから私は、アメリカではalian。


シガニー・ウィーバーの「エイリアン」でこの単語を知る人も多いと思うので、
宇宙人と勘違いする人も多いみたいだが、
私は決して宇宙人でも、侵略者でもないし、卵から産まれたわけでもない。
ただの「外国人」だ。


エイリアンは何かと孤立しがちと思われるかもしれないが、
私なりに順応していると思う。


先に挙げたカルチャーショックも含めて、
自分が日本人だと改めて思い知らされる出来事は
日常いたるところで起こる。
食に関することもそうだし、物事の捉え方、人との関わり方、
様々な違いに接する時、
その違和感は、文化による違いによるものなのか?
人が相手の場合は、その人の性格によるものなのか?
ということを、その都度確認してしまう。
なので、自分の感覚のみで、
「好き」「嫌い」と即決することは少なくなっている。


私を「日本人だから」という理由で嫌う人が居たら、
なんと心の狭い人だと思うことはあっても、
「あなたがアメリカ人だから私も嫌い」とは言わないと思う。


私が30数年生きてきて、「世の中色んな人がいる」と知ってしまい、
「すごく不満」と思ったとしても
「でも相手にだって、何か理由があるかも」と思うことで、
その不満をやり過ごす方法を覚えてしまったからかもしれない。


アメリカは、移民の国で、様々な人種の人がいる。
もちろん、より近いバックグラウンドを持っていれば、分かり合える確率も高い。
けれど、例え同じ言葉を話そうと、分かり合えない人とは分かり合えないし、
違う文化に生まれ育っても、ウマの合う人はいるのである。


幸い、私の周りには、私がエイリアンだということで、怖がる人も、
逃げ惑う人も居ない。ラッキーだと思う。