経営学のクラス

今回、戦略経営のクラスを一つ受けてるのですが、
そのクラスはディスカッション形式で、
クラスも全員壁づたいに椅子を並べて、全員が教室の中央に向かい、
教授がその日繰り出す話題について、質問に答えたり、意見を述べたりします。
パワーポイントを使う先生が多いので、
通常のビジネスのクラスは日本と同じように、
ホワイトボードに向かって座る事が多いのですが、
この教授は、生徒全員に席札まで用意してくれ、
自分の席の前に出しておく事を義務付けています。
先生がそれだけ名前を呼んでくださる機会が多いクラスなのです。


そのクラスの最初の2週間は、先生がこれから授業で、
どのような理論に基づいて会社経営について勉強するのかについて、
集中的に講義されました。
これは教科書に入る前の導入としては異例の長さなのですが、
とてもこの講義が私は気に入ったのであります。


というのも、ビジネスというのは「実際ある物に対してどれだけの付加価値をつけるか」というのが重要なのですが、(それが利幅に繋がるわけですし、ライバルとどのように競争していくのか?という点に置いてもそれは欠かせないことなのです。)
ニュートイストと呼ばれる人々の論理は、
1+1+1=3
入力した物全ての重さは、出力された物の重さと同じ、
という原理で生きていたのに対し、
現代のOpen Systemと呼ばれる理論においては、
そこに、周囲のあらゆる環境からの影響を加味する事により、
1+1+1=5にも6にもなりうる、とされています。
この差が付加価値なわけです。
またビジネスがおかれる環境の中にある様々な要素は、
一方向に動いているわけではなく、
要素同士がコミュニケーションがあったり、
一つの要素が、多方向に情報を発信したりなどするので、
よりその関係は複雑になります。
戦略経営においては、実際の経営活動だけを着目するのではなく、
常に、周囲の環境を理解し、それに伴う影響や、逆に企業側が与える影響を考えなければならないということです。


更に、教授のイントロダクションの中には、
ビジネス社会における「思い込み」であったり、
それをシフト出来る柔軟な対応の重要性などについても触れており、
これは、私たちが今後ビジネスを学んでいく中で、
多面的な視野を持つ事の大切さについて触れています。



当たり前の事に思えることなのですが、改めて理論的に説明されて、
思わず納得したのと同時にこのクラスを受けるのがとても楽しみになりました。
今まで結構、すぐに教科書に入る先生が多く、
この教授のように自分なりのスタンスがあって、それを最初に説明することで、
これからの授業でどのような方向性で、様々な戦略について学んでいくのか?
企業を研究する際にはどのような事に着目するのか?
という点をきっちり明確にしてくれる先生はなかなかお目にかかれないのです。
学生生活最後にして、いい教授にあたったみたいで、嬉しいです♪