ジャンルは様々・・・・趣味は乱読

私は本を読むのが好きです。
脳みそを使いたくない時は、英語の本は決して読まず(いいのか?)
忙しい時は、時間になったらぱっと切り上げやすいエッセイや新書、
(チャプターが細かく分かれているので、名残惜しくなく、
続きにもすぐ読み始めやすいというのが主な理由。)
逆に時間がたっぷりある時には、じっくり長編小説を読みます。
ジャンルも様々、ミステリは小学校の頃から大好きですし、
恋愛物、社会物、時代物、どれも好きです。


漫画も好きです。日本の漫画は侮れません。
そこにはドラマどころか、哲学であったり人生観であったり、
社会を捉える鋭い視点があったり、発見も多いです。
アメリカ人の考える「子供かおたくが読む物」だけではないって、
なかなか判ってもらいづらいのですが、
きっと彼らもまさか私が漫画で日本の歴史に関わることやら、
哲学、心理学なんぞを読んでいるとは努々思っていないことでしょう(笑)


一方相方は、全くと言っていいほど本を読みません。
仕事で山ほどの資料を読んでいるので、余暇にまで文字は見たくないと言いますし、
テレビやネットで十分と言います。
じっとしてるのが嫌らしいんですが、
テレビを観てる時は、特に踊ったり、筋トレしているわけじゃないので、
それは言い訳のような気もします。


ともかく、私の人生一貫してやってることと言えば読書なのでは?
本は旅のお供、お茶請け、バッグに忍ばせるハンカチ・ちり紙・文庫本・・・などのように、私の生活に切っても切り離せない物になっています。
今回の帰国でも、本屋や古本屋に数回行き本を仕入れてきました。


帰ってきて時差ぼけと疲れでかなり具合が悪かったのですが、
その際、眠りをむさぼる傍ら、一気読みしたのがこれ。

沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)

沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)

社会派山崎豊子の傑作長編というのは知っていたのですが、
ずっと後回しにしていた本です。
全5巻ですが、非常に読み応えがありました。
期せずして、ちょうど日航ジャンボ機墜落事故のあった時期と重なり、
今年の追悼式典や遺族会主催の遺品展示についての記事を
この本を読み終わるあたりにニュースで目にしたこともあり、
かなりタイムリーでした。
記者経験のある著者ならではの綿密な取材や、モデルがある話にも関わらず、
あえてフィクションとして書ききる筆力が素晴らしかったです。
この方の本はあと数冊買ってきたので、読むのが楽しみです。


そして、脳みそ休めに、ミステリを一冊。

この方の作品は、とにかくテンポが良く小気味いいし、
ビジュアルがすぐに思い浮かぶような緻密な描写が秀逸です。
この作品も、現代に潜む闇というか、本当に今そこで起こりうるような
日常的なシチュエーションから事件が起きる状況設定がまたリアル。
他の著書でも感じたのですが、この方の凄さは、
後半残り3分の1くらいからの加速的な展開の速さと、
実はトリックや鍵は、前半の見落としてしまいそうな小さなことであったという、
ミステリの基本は押さえつつ、最後にはストンとパズルの最後のピースが納められる、
という気持ちよさです。


「悩み」の正体 (岩波新書)

「悩み」の正体 (岩波新書)

私は心理学を勉強したいなぁと思った時期があったので、
一時、すごくその手の本は読んだのですが、
当時の私のおぼこい頭では、到底読解することは出来ず諦めました(笑)
でも、この方の本は非常に判り易く、
しかも現代の社会現象をわりと斜に構えず真っ向から取り組む姿勢と、
サブカルチャーについての考察も面白いので、よく読みます。
軽くアホな(by 小栗左緒里)私としましては、
悩みというのはどういう状態を持って悩んでいると言うのか、
実はどんな心理状態から起こることなのかという論点を面白く読みました。


再読したのがこれ。

日出処の天子 (第1巻) (白泉社文庫)

日出処の天子 (第1巻) (白泉社文庫)

漫画かよっと仰るなかれ。この方の作品はとにかく渋いっ少女漫画にはあるまじき渋さと、
心理描写が本当に素晴らしいです。
テレプシコーラは、バレエという華やかな世界を夢見る少女の話なのですが、
少女の成長と共に自分は何を目指すべきなのかを模索する姿と彼女を取り巻く様々な大人の話です。
いじめであったり、大人の都合で振り回される子供の姿、
現代の親子関係など現代社会の問題が沢山盛り込まれています。
日出る処の天子は私が多分中学校ぐらいに連載されていた話ですが、
今でも全く遜色なく読みきれる大人の漫画です。
日本の仏教の伝来に努めた天才と呼ばれた聖徳太子に関する話ですが、
これも切り口が一風変わっているように見えますが、
その後史実を調べて見ると、面白いほど合点が行くという不思議な話です。
とにかく著者の取材力と想像力の素晴らしさを感じます。


我が家の弟妹含めて絶賛のこちらも再読しました。

Banana fish (10) (小学館文庫)

Banana fish (10) (小学館文庫)

また漫画・・・とはいえ、本当にこの作品には感動させられました。
登場人物の9割男、恋愛ストーリーはほとんど無し、
というかなりハードボイルドな設定を少女誌に掲載していたというのもすごいですが、
本当に奥の深い話です。
主人公アッシュを取り巻く大人たちの野望、ストリートマフィアの攻防、ベトナム帰還兵の後の人生、引いては膨大なドラッグマネーを絡めた国家機密・・・・などなど。
傍から見たらストリートキッズのボスである少年で、
マフィアの親分のお気に入りで、IQは天才レベル。
望めば欲しい物は幾らでも手に入るように見えても、
彼が大事にした物は、たった一つの友情であった・・・・(既に泣ける)
というストーリー。とにかく驚いたのが、
非常に細かくNYのダウンタウンの町並みが描写されているにもかかわらず、
作者は一度もNYに行った事が無いそうなのです。
本編を全て読みきって衝撃の結末に泣き、その後、裏話的な「Another Story」を読んで、
更に泣き・・・(苦笑)
何度読んでも、胸にじーんと来る作品です。


ということで、乱読してます。
夏休みも残りわずかですが、夫の「この怠け者がっ!」という目を盗んで、
読みまくる予定です(笑)