浦島気分は実家から

ランディさん17歳


両親の家は、私が渡米してから改築されたということは聞いていたのだが、
いざ、写真だけで眺めていた家に足を踏み入れると、
そこには、全く知らない人の家のような雰囲気に
しばらくプチカルチャーショックに陥ってしまった。
場所は以前と同じなので、ご近所の風景は懐かしい。
けれど、自分の家は見知らぬ空間。
ちらほら変わった駅前などの町並みよりも、もっと時間の流れを感じてしまった。


両親の新しい家は、
居住空間は二階部分にリビング、キッチン、バスルームと両親のベッドルームが、
一階部分は玄関と父の趣味部屋と客間2室、納戸、デッキ、物置小屋など。
以前の家は、ごく普通の二階建て家屋だったので、
この狭い敷地によく詰め込んだものだと、
あたためて日本のスペース活用スキルの高さに感動。
以前母が嘆いていた収納スペースもふんだんにあり、
母も幸せそうだし、父も自分の好きなテレビをのんびり見られる
自分の空間が出来満足そうだった。
何より驚いたのが「オール電化」住宅。
アメリカで住んでいる家も一応「オール電化」に近い形ではあるものの、
お風呂の給湯もボタン一つ、保温も温度設定もバッチリ、
お風呂の残り湯はもちろん洗濯用に再利用。
(これは前の家からやっていたが)
階段を下りたり一階の廊下に足を踏み入れると、
自動センサーで電気がつくわ、
ウォッシュレットの操作パネルは既に壁付けになっていたり、
おいおい、ここ本当に私の実家なのか?
と、アメリカの田舎で、半ローテク(死語)生活を送る私にしてみると、
久々に日本の生活のデジタル化を目の当たりにして
驚く田舎のねーちゃんになっているのである。


私も一応名を連ねさせて貰った物の、
話しだけしか聞いてなかった
子供達から両親への還暦祝いであるマッサージチェア
もちろんお風呂上がりに乗ってみた。
揉むだけじゃなくて、さざなみ(叩く)やら押すやら、
揉み上げ、揉み下げ、足も足裏、ふくらはぎ、
腕もエアプレッシャーでぎゅうぎゅう圧迫され、
まさにイスに埋もれてる状態で、
全身マッサージである。
首の懲りも、ぐりぐりっとつままれるくらいである。
何しろ、コンピューターが私の体型、背骨や肩の位置を
最初に読み込んでくれるそうなので、
我が家の安いマッサージパッドのように、
「イスに合わせて自分の体をずらす」
なんてちゃっちい真似をしなくても良いのである。
うわーん、ビバマッサージ。
15分で1セットなのだが、終わってしまうと、
「・・・あと一回」と、
リモコンに手が伸びる・・・止められない。
ということで、帰国後数日は、
お風呂上がりに、マッサージ部屋を占領していたのは、
言うまでもない。
既にこのマッサージチェアから、快適お風呂から・・・
いえ、日本の実家から離れられるのか、不安(笑)


そんなこんなで実家の変貌ぶりに既にプチカルチャーショック体験が始まってるわけですが、ほっとするのは、母の手料理。
朝からアジの開きを焼いたり、美味しい新鮮な納豆を食べたり、
とにかく和食三昧で過ごしていて、
実は、到着の夜の「ジャンクな担々麺+餃子」以来
ずっと家で食事している。
日本の野菜は美味しいね〜、豆腐の味が濃いね〜、
日本人はやっぱり魚だね〜、
といちいちうるさくリアクションする娘を見て、両親は、
「・・・この子本当に食べるのが好きなのね」
と、思っているに違いない。
当ブログが食べ物の話し満載のことについても、
「一応女性なのだから、食べることばかりでは、はしたない」
と、非常に心配させている(笑)
そんな両親には申し訳ないが、
でも、食べるのって楽しみなんですもの、しょうがないじゃなーい。
と、開き直る長女の私。
ごめんなさい。でも美味しいものは美味しい。