押しの強い人

マンウォッチング好きには、
色んなタイプの人にお目にかかれるという点では、
アメリカは面白い場所かもしれません。
人種も様々、バックグラウンドも様々、
話をすると、それは色々な考え方にも遭遇します。
私は、あまり熱くなるタイプではないので、
大抵の事は、「そういう考え方もあるよね〜」と聞く事が出来ますが、
ちょっと困るのは「押しが強くて、同調する事を強要する人」。


多分、これは私の過去の経験から来ることだと思うのですが、
「私がこう思ってるんだから、あなたもそう思うべき!」
的な押し付けは苦手です。
過去の経験とは、
私は若い頃から何かと「○ムウェ△」やら「24時間風呂」系の、
「サクセスしようぜ系マルチビジネス」
の勧誘にあった事があったり、
知り合いで「○○教会」系にハマりかけた話を聞いた事があり、
その度に、
「あなたの言い分は理解するけれど、私には出来ないから。」
と断ってきました。
「商品がそれほどいいなら、もし欲しくなったらあなたから買うから。でも私はそれを頑張って、他の人にお勧めしたりとかはする気はないな〜。」
と言うと、大抵の人は一応引き下がってくれます。
彼らの本当の目的は商品を売りつけるより、
仲間になってくれることなので、
欲しい答えじゃないのは百も承知ですが、
商品の良さを必死に説明している人には、
少なくともその商品が良いということは理解したよと伝える事で、
「全否定してないよ。でも私はやらない」
というスタンスで居る事が私の対処法になりました。


まるでどこかの新興宗教のように、うつろな目(に見える)で、
ひたすらその団体の素晴らしさを語る様子に、
「なんでもまるごと信じてしまう」ことの怖さを感じました。
そして、その何でも信じてしまう人達の多くは、
「その喜びを分かち合いたい」と言いますが、
実はそれは、自分の実益の為だったりするわけですし、
宗教の場合は、「団体内での自己実現の為」という気持ちが
その裏に隠れているわけです。
もちろん、信じている人達はそれをすることで、
他人に幸せをもたらしていると信じて疑わないでしょうけれど、
三者からの目というのを完全に忘れている時点で、
実はすごく身勝手な物言いだということに気づいていないと思います。


「それを実現したいなら、こういう方法もあるよ」
などと言おうものなら、それは彼らの意思とは反する為、
容赦なく否定するし、
そしてそのタイプにすごく多いのは、断ったり、私がそれに同調出来ないと、
「あなたはきっと不幸になる」
「せっかく教えてあげたのに」
「理解できないなんて馬鹿だ」
というスタンスに豹変してしまうことです・・・。


誤解して欲しくないのは、
私は議論するのは好きだし、それで得る物も沢山あると思っているので、
自分が「こういう事を聞いたよ」という事に対して、
「でもこんなこともあるよ」というやり取りは好きです。
でもこれは、会話の中でお互いの歩み寄りや、
理解しようという姿勢があることが条件です。
他人を断罪する態度の人に対しては、受け入れ体勢が無いのだな〜と
判断して、聞くに徹する事にしています。


ビジネスの勉強をしてて一ついいことは、
どんなケースについても
「良い点と悪い点(Pros and Cons)」を検証することです。
これは私の「知りたがり」な性格にしてみると、
理に叶っています。
普段の生活でも、私はとにかく調べ物が好きなせいもあって、
Pros and Consはよく探します。
たとえ圧倒的に良いことづくしに見えるケースがあったとしても、
では何故それが浸透しないのか?
出来ない人の理由は?
それを改善するには?
という問題点がどこかに必ずあるものだからです。
で、全体の状況を把握した上で、自分がどの立場に居たいのか、
ということを考えます。


それと同時に、自分がこれは良い!と思っていても、
そう思う人ばかりじゃないということもよく判ります。
マネジメントという分野を勉強しているくせに、
人を動かす事は難しい事だと思っていたりします。
自分はそれほどの人間じゃないと思ってるし、
でも動いてもらわなくちゃいけないなら、
そこには「説得力」が必要だし、
説得には相手を理解することが必要なんだな〜と思います。


こうやって書いてみると、私って非常にめんどくさい女かもしれません(笑)
いや、私だってたまにはあるのです。
「いーやー、それは普通ありえないでしょう」
と思うことも、
「常識的にありえないわっ!」
とムカっと来ることもあります。
でも、「事なかれ主義」に見えるのかもしれないのですが、
「その人にはきっとその人なりの事情があるんでしょう」
という風に思うことにして、やり過ごすことにしています。
そして「私は絶対そうはなるまい」という糧にしたいと思ってます。
そうじゃないと異文化での生活なんて、
神経が持たないということでもあります。
関心が無い訳じゃなく、
「自分が信じることは自分がやればいい」というスタンスだと思っています。
他人に対して強要するのは、元から好きじゃないのと、
強要される人の気持ちもすごく判るからです。


例えば、かなり気に入った物があったりして、
お勧めしたいな〜と思う事だって、私にも一応あるのですが、
「すっごーーく良かったよ。興味があったら試してみて!」
という程度です。
それで例えば、相手が気に入らなかったりしたら、
「ま、人それぞれ好みはあるし〜」
くらいで、あまり過度な期待や強要はしたくないな〜と思っています。
でもこうしてブログに書くことというのは、
一つの自己主張の場でもあるわけなので、
中には、私の主張を押し付けている!と見る人もいるのかもしれないなと思いますが、
あくまでも私見としての話と読んで頂ければ幸いです。


相方と出会って大きく変わったことというのは、
「文句言ってる暇あったら、一つ行動」
ということでしょう。
人に期待するよりも、自分でやってしまった方が遥かに楽だということに気がつきました。
期待してもやってもらえないと嘆くことが多いと、
不満ばかりが大きく膨らんでしまって、
生活もその事ばかりに振り回されてしまうことに、
30半ばでようやく気づきました。


と言っても、私も不満ばっかりの生活だった時期もあるし、
今だって、欲を言えば切りが無いと思っています。
特にアメリカに来て、様々な不便も味わって、
ようやく今のような心境に辿り着いた気がします。
悟りを開くにはまだまだと思いますが・・・。