クリーム・チップド・ビーフ

その昔、私は大草原の小さな家のシリーズを読みまくった時期があり、
小学校の高学年くらいだったのですが、
その時に出てきたたくさんの「ローラの母さんが作る美味しそうな料理」に、
うっとりとしたものでした・・・(笑)
(当時から食いしん坊だった・・・)
数あるインガルス一家の食事の支度の描写の中に、
「干した肉」やら「塩漬けの豚」という、
私の家の冷蔵庫ではお目にかかった事が無い食材が書かれていたのも、
これまた想像力を膨らませる一因だったりしたのです。
(お察しの方もいるかもしれませんが、私は赤毛のアンシリーズも読んで、
いちご水とは何ぞや?と思ったクチです。)


そして、20年後、私はアメリカのダイナーで朝食を食べた時、
初めて「クリーム・チップド・ビーフ」なる物を食べたのですが、
ホワイトソースが好きな私は、このメニューが大好きになりました。
作ってみたいなぁと思って、スーパーマーケットに行った時に、
聞いてみたら、加工肉のコーナー(ハムやベーコンが置いてあるセクション)に行き、
「ドライド・ビーフ」の袋を、籠に放り込みました。


そう、これがあの「干した肉」の正体だったのです。
ビーフジャーキーよりかなりの薄切りで、
干した薄切り肉(実際はスモークしてあるらしい)。
その袋の裏には、ダイナーで食べたあのメニューのレシピがありました。
早速家で作ってみたら、これが簡単だった(笑)
更に、私が元々母から教わっていたホワイトソースのレシピと合わせて、
私のオリジナルになりました。

ということで、クリーム・チップド・ビーフのレシピ
材料(1〜2人分)
1.ドライビーフ(1袋。多分100gくらい?)千切りにしておく。
2.バターまたはマーガリン(大匙2)
3.小麦粉(大匙3〜4)
4.牛乳1.5カップくらい
5.スープの素(コンソメがベスト。でもチキン味でもOK)
6.塩・胡椒(あら引きだと尚良し)
7.トーストや蒸したポテト、一緒に食べたい物

作り方
1.フライパンを熱し、バターを溶かす。
2.溶けたバターの上に小麦粉を入れ、しゃもじで練ってペースト状にする。
3.弱火〜中火にして、牛乳投入(少しずつ入れて滑らかにしてもよし。一気に入れて小麦粉ペーストを潰しながら混ぜてもよし。要は適当・・・。)
4.小麦粉ペーストの塊が無くなり、とろみがついてきたらスープの素を入れ、味を調え、
塩胡椒する。とろみがあまり出ない場合は、ここで小麦粉を少し足してみてもいいです。
5.刻んだドライビーフを投入。しんなりしてきたら出来上がり。
6.トーストやポテトの上に掛けても良し。脇に添えても良しです。

これは相方からのリクエストトップ3に入る朝食メニューになりました。
相方は、トーストの上に掛けるのが好きで、
ソースと共にトーストをナイフで切って食べます。
私は、脇添え派で、トーストにちまちまつけながら食べるのが好きです。
ただ野菜不足になりそうなので、
たまに茹でたブロッコリーやアスパラも添えることもあります。
クリームソース好きの人にはお勧めです。


それにしても、一つ疑問なのは、私の住んでるペンシルバニア周辺では、
このホワイトソースを「グレイビー」と呼ぶのですが、
グレイビーは直訳すると「肉汁」で、
よく肉を料理した後に出た肉汁から作るといわれていますが、
このクリーム・チップド・ビーフはどう考えても、日本で言う
「ホワイトソース」なんです。
何故なのかしら?? 未だに疑問です。


尚、このレシピ、ドライビーフを抜かせば、
グラタンやドリアにも使えるソースなので、かなり使えます。
ちなみに、ドライビーフを切らしていて、
ウィンナーを使っても美味しく出来ました。
小麦粉の分量で、とろみ度合いを変えることが出来ます。


・・・ということで、私の小学校の頃の
インガルス家の夢の食卓の謎を一つ解いたような気持ちになった一品なのでした。
アルマンゾの焼いたそば粉のパンケーキも
ミックスを見つけて作ったり、そういう文化の探索も面白いです。
ということで、私のアメリカ食の探訪は、
子供の頃の読書体験で見つけた謎解きだったりします。