極端なまでのこだわり

先日の日記にも書いたが、相方は「結婚願望ゼロ」の男である。
これはアホらしいほど頑ななもので、
どうもアメリカ人特有の「婚約はダイヤモンドの指輪」とか「結婚式は盛大に」
とか、そういうことを毛嫌いしているようなのである。
もちろん、私もその為に結婚するわけではないので(よくこっちの若い子は、そういうのでステイタスを誇示する子が多いので、判らないでもないが)
あっそうってな程度に思っていた。


がしかし、いざ自分の番になって、一応指輪どうしようかなぁとか考えるようになった。
こちらでは、婚約したってことは、プロポーズされて指輪をプレゼントされて・・・というのが、
一般的なわけで、この前アドバイザーのところに、
今後、私のステイタスの変更はいつの段階で学校側に認められるのか?
という質問をしに行った際、
「実は、このたび結婚する事になりまして・・・」と話した途端、
その視線は、すぐさま私の左手薬指に向けられたのである。
「・・・あ、非公式な婚約なので」と、言い訳したものの、
こういうのってめんどくさいな〜って思ったり。
ま、でも私はこっちの人みたく、あの石がごろっと付いた婚約指輪をずっとするなんて、
考えた事なかったので、結婚指輪はするだろうな〜と、
結構当然のように考えていたのである。


学校でも、結構、普通に男の子の知り合いなんかが出来る訳で、
私はすぐさま「彼氏が居る」という光線を出して威嚇するわけなんだけど、
(もう年なので、めんどくさいのは嫌。好みでもないし)
そういう虫除けの意味での指輪の効用というのもあると思ったり。


相方は金属アレルギー持ちなので、指輪したくないだろうな〜という、
単純な気持ちで、「Wedding Bandはあなたはしないよね。」
と言った途端、物凄い不機嫌モードになった。
「は〜ん、今度は指輪が欲しくなったわけだ。なんだかんだ言って、すごーくそういうことしたいんじゃないの?(疑念のまなざし)」
と言われて、かちーーーーんと来たりもして。
・・・悪いかよ。確かに写真くらいは撮っておきたいなぁと、
披露宴とかしなくてもいいからドレスは着たいって思ったよ。
指輪も当然しようって思ってましたよ。


「オレはそういうの一切嫌なんだよ。信じてないんだから。指輪して結婚してるって見せてどうするっての?」
「・・・あんたにして欲しいなんて言ってないもん。私がしたいだけだから、私が自分で買うもん。」
「君がつけたいなら、自分で買わせるなんてしないけれど、俺は君にもして欲しいって思ってないだけ。」
「・・・めんどくさい。いちいち人に「私結婚してるけれど、指輪はしない主義なんです」って言うの。独身と偽って、好き放題やってるようにも見られたくないし、第一、別に隠すことでもないじゃん。」


平行線であった。
相方は結婚って個人的なことだから、人に知らせる必要は無いと思ってる。
私は自分はやっぱり日本人だなぁと思った。
着物なんてまさに、人様に結婚してるか否かを公表して歩く代物なわけで、
それこそ神代の昔から、服装、髪型で既婚、未婚、成人、未成人を区分している文化で育った私には、この頑なまでのこだわりにびっくりであった(笑)
今でも日本では男性こそ結婚指輪しない人もいるけれど、
女性はほとんどがしてると思うし。
私も、別に相方が付けない事には反対もしないが、
私にも付けるなというのは、驚きであった。


私は「いいよ、自分で買って自分で付けるから。あんたに嫌々買ってもらったって嬉しくないもん。いらん。あんたからの指輪なんぞ要らんわ。」(この辺から絡み入ってます)
「オレは買う事に問題があるとは言ってない!」(ケチと思われるのはしゃくなんです。)
「あぁ、もう判った。指輪もドレスも無しってことで。いいでしょ。」(逆切れ)
ということで、私の小さい頃からの密かな夢だったウエディングドレスは
泡となって消えたのである。


披露宴もする気はないし、ホテルで仕事してる時も、
チャペルでオルガン弾いたり、神殿で巫女をしてたのもあって、
(思えば何でもさせる会社だった・・・)
見事にウェディングフェアの模擬結婚式で衣装を着るという、
若い女子社員の特権も使わずに来たと言うのに(笑)
あぁ、こんなんなら、一回くらい着ておけば良かったよ。
(というか、着せて貰えたかどうかは別だが)

何より、この相方に無理強いするのが嫌なので、
相手が嫌なら、しょうがないのである。
私はどうにも、こういう時に、
「絶対にやる!」という強い意志は持てない。
いいんです。こういう人を選んじゃったんだから。
ま、日本に帰って、写真だけ撮ろうかなとも思ってるから、
その時までお預けってことで・・・(笑)