妹の見送り

妹は6泊の予定を終えて、帰国の日になった。
この日は、私が初めて空港までの運転をすることになっていた。
とは言え、実は私の次の学校からすぐそこというのが、
迎えに行く時に判ったので、
相方には早起きしてもらわず、私が運転して来たわけである。


朝食におにぎりを握って、お茶を水筒に詰めて、
ちょっと遠足気分だったりして。


久しぶりに会った妹は、何だか前にもましてしっかりしていて、
頼りがいのある女性に成長していた。
何よりおかしかったのが、
妹は、いつまでたっても私にとっては「若い」存在だったのに、
こちらで、私より「遥かに若い」友達に会うたびに、
「若いのにとってもしっかりしてる」だの、
「若いっていいなぁ。」とか言うのである。
私はそれを聞くたびに、
「あんただって若かろうに。」
と思うのだが、
ふと気づくと彼女も三十路を迎えた女性であった。
私も年をとるはずである(笑)


母と叔母を引き連れての渡米、色々気遣いもあっただろうに、
本当によく来てくれたと、
別れ際には涙が出てきてしまった。


私が彼女からこの6日間一緒にて
沢山のことを教えてもらった気がする。
考えてみたら、彼女が大学進学の為に上京してから、
12年以上、いや、正確に言うと、
多分、彼女が高校生になってからというもの、
こうしてまとまった時間を一緒に過ごすことなんて、
無かったかもしれない。


私はというと、いつまで経っても情けない姉なので、
姉らしいことはあんまりしてあげてないのだが、
姉がこんな風だと、下がしっかりする、
我が家はその典型なんだと思う。


頼もしくなった妹と別れて、
私と母と叔母は、私の次の学校を見に行くことにした。
駐車場に向かったところ、
思えば、これまた「初・立体駐車場」だったのもあり、
車をどこに置いたのか、てーんで覚えてないことに気づいた。
巨大な駐車場の中、私のおんぼろカムリを探すこと数十分。
・・・ほんとにあたしって、つくづく決まらない女だわ・・・。
やっと車を見つけて、秋から通う学校へ向かうのであった。