相方のお供

冬に行って、赤ちゃんパンダを堪能してきたDCに、
今回は、相方のお供で2泊3日で行ってきた。
相方は、このたび彼の携わる住宅デザイン系の業界認定の試験を受ける為だったのだが、私は全くのフリー。
試験前日の金曜日から出かけ、当日は朝から晩まで試験をしている相方とは別に、
私は一人でアーリントンの町をぶらついた。


日頃の雑多なことから開放されて、
ホテルの部屋でごろごろしたり、
長風呂したり、ホテルと直結したモールに行って、
ぶらぶらしたりしていたら、あっという間にもう夕方。
丸一日費やした試験を終えて帰ってくる相方のために、
バスパウダーや、マッサージオイル、
ワインを買ってきて冷やしたり、
とお疲れの相方をいたわってあげようと、ぱたぱたしていた。
(実は、モール内のスパを予約しようと思ったら予約が一杯だったので、
手作りスパになった)


相方は、ここ数ヶ月ずっとこの試験のための勉強をしていたので、
やっと開放されたと、ご機嫌であった。
私も、家から離れてすっかり気分も晴れ晴れとしていたので、
これまたご機嫌で、
その後、ジョージタウンという「路面店が立ち並ぶかわいい通り」と聞いていた場所へ行き、アメリカンフュージョンで夕食を頂き、
その後、メトロセンターという駅まで行って、
相方のご希望で、地ビールを飲み、
ホテルに着く頃には、私はかなり酔っ払っていた。


地ビールを飲んだパブの外に、一人の若い男が立っていた。
そのパブは前面ガラス張りなので、
外の様子が一目瞭然なのだが、
若い女バーテンダーが、「あら、やだ」と外を見て言ったので、
相方と私は二人で、振り向いてその方向を見た。
すると、その男は、じーーーーーーっと一点を見つめながら、
手を顔の鼻先辺りにやり、もじもじしている。
・・・・・・しばらく気づかなかったのだが、
その指が、どうやら鼻の穴に入っているのを見てしまった。
「うぇ〜〜気持ちわるい〜〜〜」
と、最初は苦笑いしていたものの、
その男はずーーーーーーーーーーっと鼻をいじっている。
一杯目のビールが終わり、ふと見やると、まだやっている。
賞味三十分近く、鼻をほじほじし続けているのである。
気になり始めると止まらなくて、
何度も、振り向いては相方と実況してしまう始末。
角度を変え、指を変え、
と、バリエーションまで見せ付けてくれる程だ。


別のスキンヘッドの強面のバーテンが、
「気持ち悪い!まだやるようだったら、俺が言いに行く!」
と言っていた。
それが聞こえたわけではないんだろうが、
その数分後、物凄いでかいリュックを「よいしょ」(と言ったわけではないだろうが)と背負い、てくてくと歩いて行ってしまった。


・・・なんだったんだ?
変なものを見てしまったと、気分直しに、もう一杯ビールを頼んだら、
とんでもなく度数が強くて、そ粉から先は、
酔っ払ってしまった。
その男が、その後どこかの店先で、また同じように
鼻をほじほじしていたかは不明である。