何をって・・・・

事は、昨晩のことである。
いつものように、いつもの友達が数人我が家に立ち寄り、
相方の両親もそこに加わり・・・といういつもの金曜日の光景。
外に置いているテーブルを囲んで、
虫刺されを気にしつつ、お酒と会話を楽しむひとときである。
最近、相方は「モヒート」という
リアラム+ライムジュース+クラブソーダのミント添え
というドリンクに凝っており、今日は更に、女性ホルモンに効くという
ポメグラニテ(ざくろ)ジュース入りである。
私もそれを頂きつつ、話に参加していたわけである。


皆が家路について、二人で地下のバーで、テレビを見つつ、
ちょろちょろ話をしていて、
今日はなかなかリラックスモードだなぁと思い、
私から切り出してみました。
それは、「結婚」のことだったりする。


今まで何度と無く、話して見ては
彼の結婚に対する希望の薄さ、出来ればしたくないという話があっただけに、
これはどきどきもんだったのだが、
あれこれと、遠まわしに言ってみたところで、
いつも「で、お前は一体何を言いたいんだ?」ということになるので、
思い切り直球勝負に出たわけです。
何も、それがだめなら別れるなんてつもりは毛頭なかったけれど、
一応、何かの形できちんと話したかったから。


話してみると、いつもならぶんむくれたり、機嫌が悪くなるところなのだが、
一応普通に聞いてくれている。
私は、今までの生活のこと、彼が私にとってどんな存在なのか、
色々話してみた。
そして将来のこと。私にはタイムリミットがある。
ビザのことを含めてもそうだし、将来離れ離れにならないといけないかもしれない、
という可能性だって大きいのだ。
そんな時、じゃぁしょうがないわね、さようなら、って別れられるか。
勉強するためだけにここにいるんなら、
「じゃ、学校も終わったことだし、楽しかったよ、さようなら。」
って私は帰るという選択だってある。
そのことも含めて、私は出来る限り一緒に居たいと話し、
「つきましては、私と結婚する気ある?」
・・・・言ってしまいましたとも。私から。


理想はねぇ、求められてってのがありましたし、
片膝ついてとまでは行かなくても、故高円宮じゃないけれど、
「Will you marry me?」って言われるのが夢でしたわよ。
でも、現実は、このお尻の重い男を動かさなくてはいけないのである。
沢山の結婚に対する不安を抱えるこのスナグル・テディーベアのような相方の、
不安を解消してあげないといけないのである。


ということで、相方の口から飛び出る
「自由が無くなるのが嫌」→「あたしがいつあんたの自由を束縛したことがあったか?」
「でも将来そうならないとも限らない」→「もしも他の人を好きになるかもなんてこと考えてるんだったら、その時は、いつでもそちらにどうぞ。私は、自分のことを愛してくれない人を引き止める気は、毛頭ございませんし。」
「そういう自由じゃなくて・・・。」→「じゃぁ、どういう自由?」→「・・・」
「俺は、典型的ないい夫になれない。」→「典型的ないい夫とは?」→「・・・」

理詰めにしたってわけじゃないけれど、
常々、「ステレオタイプは嫌い」などと言っていた相方が、
実は、一番ステレオタイプに縛られていたとは(笑)

「典型的ないい夫を求めていたら、私はあんたと今一緒にいませんわよ。とっくの昔に愛想つかして出て行ってるところだわ。」
・・この一言が効いたようです(笑)

最後の一言が、
「・・・俺、結婚式みたいなのしたくないよ。」
まぁね〜、ウェディングドレス着てみたかったって言えば、着てみたかったけれど、
最悪写真だけでもいいかねぇ、などと思いつつ、
「そういうの、あんまり重要じゃないと思うわよ。この場合。」

要は、相方が「あぁいうのは嫌だ」「こういうのはしたくない」
と言ったことを、全て私が、
「んで、だからどーした。」
「それで、それがどーした。」
と、大した気にも留めなかったことに、かなり驚いたらしい。
そんなこと気にしてたら、今頃私はここに居ないって。
そのくらい、私のこの2年半は、修行のような生活だったのだから。
ちょっとやそっとのことじゃ、もう大して動じなくなりました。はい。


私の結婚に関することは、もーーーーーっと純粋で、
「この人と一緒に居たいかどうか。」
というすごくシンプルなことだったので、
私のほうが、正直驚いた(笑)


シャイな相方は、遂に、
「うーーーん、あの炊飯器とAイチが居なくなったらすごく困るなぁ・・・・。
・・・・それに、多分、君も居ないと困る

この数年で初めて聞きました(笑)

ということで、小さい「yes」を頂きました。
でもね、あくまで本人同士の話で、婚約ってわけでもないのですが、
私と相方の間では、ちょっとした進歩だったりするわけです。

あぁ、それにしても私から言ってしまったかぁと、
つくづく、自分の理想って、現実には追いつかないもんね、と、
34にして思った私なのだった。