我が家の奇妙な同居人のその後


相方の親友であるDとそのガールフレンドMは、
相変わらずの奇妙っぷりを連発しているものの、
ある程度の慣れというのは出てくるもので、
たとえ、人前で蛸のように絡み合っていようとも、
二人で、メロディーにもならない変な鼻歌を歌って
廊下をのしのし歩いていようとも、
忍者のように、私がどこに居るかを逐一確認して、
私がどっかの部屋に入るか、地下の階段を数歩下りたのを
確認してから、ものすごい勢いで部屋から出てこようが、
「まぁ、こんなもんだ。」とやり過ごすようになれるものである。
変な人ね、と放って置くようになれるってもんである。
でも、それは一緒に住んでても平気になるとは同じではない。
相変わらず、私はこの奇妙なカップルとの同居は、
いつでも解消したい気持ちでいっぱいである。


そんな彼らは最近、妙にアジアの食事とエクササイズに目覚めたようである。
今まで時折炊飯器を使う時は、私の小さい炊飯器を使っていたのだが、
遂に、自分達の炊飯器を購入。
「彼女が米を食べたいと言い出したから」なんだそうだ。
浮かれたように米を炊いている(笑)
そして、私がこの夏、学校に持っていっていた、ふりかけおにぎりを
学校に行く前キッチンに準備しておいたのを見たらしく、
アジアンマーケットで、ふりかけも買ってきたらしい。
今までお弁当なんて持っていかなかったのに、
何故か、今日はお弁当まで持参していたらしい。
まぁ、お弁当とは言っても、日本のようなそれではなく、
ご飯にふりかけかけて持っていったので、
私の手抜きなふりかけおにぎりと大差はないが。

変われば変わるものね〜。


プライドの高い自称グルメな二人なので、
そんな日本のふりかけご飯ごときに、目を向けるとは思わなかった。
まさか、ふりかけご飯で、
「すっごい、あたしってアジア通」とか思ってるんじゃないか?
いえいえ、日本じゃ、ふりかけご飯なんて、
「手抜きの極地」なんですよ〜。
ふりかけご飯ばっかり食べてるとお母さんに
「ちゃんとおかずくらい作りなさい!」と怒られるんですよ〜、
と言ってあげるべきなんだろうか??、
(いえ、言いません。だってプライド高いから、絶対そんなこと言ったら、
地の果てまで落ち込むか、ものすごく恨まれるかだもんねぇ。
本人が喜んでやってるなら、見てみぬふりするべきだわ、と
おせっかいばばあになりそうなところを、逃れた私。)


そして、これまたこの辺じゃ一番入会金が高いと言われる
某ジムに通いだし、毎日、ぬれた水着を
帰ってくると、バッグから出してそのままポーチに干すというか、
手すりに引っ掛けているのだが、
水着って・・・洗うもんじゃないの?
と、これまた人事ながら疑問に思う私。
・・・ジムで洗って来てるのかなぁと思いつつ、でも、洗剤は?
「高級な」(と言っても田舎の中ではなんだけど)ジムには、
まさか、水着を手洗いする洗剤がついてたり?
いや、高級なジムならば、ランドリーサービスがあって、
タオルや水着はそこにドロップすると、
次にはちゃんと仕上がっていてピックアップするだけってのは聞いたことがある。
前にも書いたが、彼女は自称かなりの潔癖症である。
洗濯する時は生地が傷むんじゃないかってくらい、ものすごい量の、
染み抜きスプレーを連射している。
そんな彼女でも、水着を外に放置するのは平気、で、またそれを着て泳ぐのは平気・・・・つくづく、この辺のアンバランスというか、
これこそまさに価値観の違いなんでしょうねぇと、
今更ながらに、またまた小さなカルチャーショックである。


この二人、件の相方の妹の結婚式にも出席していて、
会う人、会う人に、「次は俺達です」「子供の準備も万端です」
と言って歩いていた。
見ず知らずの人に、そういうこというのかなぁ・・・。
やっぱり変わってる・・・。


未だにそういう感覚は日本人の私には、よくわからないっす。
でも、である。私は常々相方に宣言しているのは、
「DとMが結婚したら」
「Mがお望みどおり妊娠したら」
絶対にこの家を出て行くか、同居を解消する、ということである。


自称神経質が、妊婦さんになったら、いちいちもって、
「お腹の子に触る」とかそういうぴりぴり妊婦さんになること間違いなしだからだ。
妊婦さんが神経質になるというのは判るけれど、
日ごろ自分を神経質と呼んで、それを振りかざしている人が妊婦さんになったら、
「ものすごく神経質になる」こと間違いないからだ。
申し訳ないけれど、普段の「自称神経質」だけで、手一杯の私は、
それ以上はお受けできないのである。


これには、一応相方も「違う意味」では同意してくれて、
(でも一向に現実味は無いみたいなのだけれど。いつまで経っても、「その時考えるさ」というスタンスは変わらないお人である。)
言ったことが、
「・・・その時はさぁ、俺この家買うよ。」
・・・ってか、そんなにこの家が好きなのね。
おんぼろだけど、色々自分で直したり、地下もリフォームしたので、
愛着がものすごくあるらしい。
ま、相方も今仕事と業界主催の指定デザイナー資格の試験に忙しいので、
そんな戯言を聞いている余裕すら無いので仕方ないなぁと。


まぁ、奇妙な同居人との生活は、相変わらずなのである。