長い一日

水曜日は、一週間の中日、だけど私にとっては一番長い日だ。
というのも、朝イチ8時からの2つ、そして4時間半の仕事をはさんで、
6時から9時までの授業がある。
文字通り、一日中学校に目一杯いる日なのだ。
仕事を始めて最初の週は、この日が終わるとへろへろになっていた。
おまけに、まだどきどきする夜の運転もある。
現に今日も帰ってきたら、「燃え尽き状態」だったが、
白く灰になるほどでもなく(笑)、
あぁ、身体って徐々に慣れるものなのね・・、と思うこの頃。


今日は長い日だったが、わりと気分的には楽だった。
前に書いた、夜のマネジメントのクラスのクイズのグループおじさんとは、
今日も対決する羽目になったのだが、
アジア人グループは今日も頑張った。
おじさんの「ネイティブ故の説得力もどき」と、
「早く終わらせなくちゃ」という変な焦りモードにも負けず、
私たちは今日もじっくり作戦で取り組んだ。
先生は私たちの質問攻めに耐えてくれたのだが、
実はこの質問のほとんどは、
私とおじさんの対決した問題がほとんど。


日本ならばおじさん(多分年上だし)を立ててあげなくちゃ、などと
考えなくてはならないのだが、ここはアメリカ、
しかも、一応クラスメイトである。
しかもおじさんが、「これ絶対○○だ!」とさらっと流そうとする問題のほとんどが、
悲しいほど間違っているのである。
で、「・・・(問題を読み直し)これは、こっちじゃないですか〜?だって、さっき先生が〜〜って言ってたし。」
すると、他のグループメイトも
「あ、あたしもそう思った」
「俺も、そうなんじゃないかな〜と思う。」
と、私に賛成することが多いのだ。


事実上、おじさんが口を開けば反論ということになってしまうのである。
いや、おじさんが正しい(もしくは納得できる)答えを言ってくれれば、
私も反論しなくていいのだが、
このおじさんは、ことごとく違う答えを出すのだ。(真偽の二択ですらである)
こちらも、筋の通った反論が出来る時は、
「この言葉の意味は、○○ですよね。するとこの問題のこの部分が違うと思うんですよ。」
と、理路整然と反論するのだが、この辺が問題を読む力に関係してしまうので、
私もたまに100%自信があるか?といわれると、
まだまだなのだ。


で、一応おじさんに納得してもらう為に、
先生に質問をして、
「この問題なんですけれど、意見が割れまして・・・
私はこっちだと思うんです。何故なら〜・・・・。」
と説明をして、先生が「わかってるんじゃん。はいそれ正解」
と、私の意見に同意をしてもらう、という作業をしているわけだ。
先生にしてみると、「わかってるのになんで聞くの?」
と思ってるかもしれないのだが、
要はおじさんを納得して欲しいだけだったりする。


それに気づかないおじさんは、他のグループが終わって
帰っていくのを見て、また焦りだす。
「あ、早くやらなくちゃ。」というムードがむんむんになり、
どんどんその「早合点な間違い解答」を続出するので、
更に、私の「あ、ちょっと待って。それ違うんじゃないのかなぁ」
という反論が増えてしまう。
しかも、おじさんも結構意地になって、食い下がるし、
要は私の答えを信用しないのだ。
もし、これが他のアメリカ人学生だったら、
このおじさんは多分、意見は一つも発しないと思う。
まさに悪循環(笑)
で、先生に質問という印をつけるのである。


もちろん、私たちが読むのが遅いのも、原因ではあるのかもしれないが、
おじさんに気づいて欲しいのは、
結局、そんなこんなやっても、今回はちゃんと50問のクイズの後の、
ケーススタディも、時間内に終わったのである。
もちろん、一番遅かった。でも授業時間内である。
おじさんは、今日も最後のグループになってしまったことを、
がっかりしたようだったが、要は成績が上がればいいのである。
現に先週のクイズはAだった。


きっとおじさんは、私のことを
「鼻持ちならない奴」と思ってるのかもしれないが、
私たちの総合グレードにかかる問題なので、手は抜けないし、
ということで、また次回もおじさんと対決しなくてはならないのである。
グループの若い子は、
「あのおじさん、早く終わらせることばっかり考えてて、頭に来る。」
と言っていた。
その気持ちも判る。
でも、私も「先生に質問せずともおじさんを納得させられる方法を考えなくては」
と思って反省もしているのだ。
私の意見に、おじさんに有無も言わせないくらいの強さが必要、
と実感した。