しょうもないことと、わかっているんだが


私は、どっちと聞かれたら嫉妬する方かもしれない。
嫉妬深いとは言わないが、かなり過敏な人間だ。
理由は判っている。
自分にいつも自信がないからだ。
裏を返せば、人の事を本当に信頼することがないのかもしれない。
年をとりすぎて、「この人は絶対大丈夫。」なんて思うことが出来ないのかもしれないが、
昨日の夜、ルームメイトの彼女がその友達を連れてやってきた。
二人ともポーランド出身なので、話題はやっぱりそちらの方面になる。
それは別にいい。


途中から、相方の妹とその彼氏、そして相方の弟も加わり、
結構な人口密度になった。
私はしばらく相方の妹や、その彼氏と話し込んでいたのだが、
ふと見ると、相方が何やら判らない言語で、そのポーランドの二人に話しかけている。
「何語話してるの?」と興味本位で聞いたら、
ポーランド語。」
へぇ、ドイツ語を話せるのは知ってたけれど、ポーランド語も話せるんだ〜。
と思い、「で、なんて意味?」
と聞いたのが間違いだった。
「You look nice.」(君かわいいね。)だった。
一瞬、はぁ?と思った。
でも、そこで「何考えてるの?」と言うのも嫌なので、
「あ、そう。いいんじゃない。どうぞ〜ご自由に〜。」
と言って、私はすぐに妹との会話に戻った。
不機嫌モードだったか、といわれれば、そうだったかも。
だけど、自分の彼氏が、他の女の子に私の知らない言葉で、
「きみ可愛いね」と言ってるのを聞いて面白い彼女がどこにいる?
最低限、とりつくろったつもりだった。


その後、そのポーランドの二人が別室に下がった後、
「で、ポーランド語、何を教えてもらったの?」と、妹と一緒に聞いたら、
「・・・君のその態度が気に入らない。俺は今、すごく怒っている。」
と、怒り出した。
「僕が、みんなと冗談言って楽しくするのが面白くないんだろ。」
・・・あぁ、面白くありませんとも。
女の子口説く文句、並べるのを聞いて誰が面白いか?
思えば、彼は私と一緒にバーに行った時に、ヒスパニックの子と
話しが弾んで、帰る間際、何かスパニッシュで声をかけて別れた。
何の気なしに、「今何て言ったの?」と聞いたら、
「君にキスしたい。」だった。
で、私が、「あんたそれはいくらなんでも、私の前で他の女に言うか?」
と言うと、猛烈に怒り始めた。
「君はジョークが判らない。」
・・・そうなのかもしれない。私が過敏すぎるのかもしれない。
そう思って、その時は治めた。
その時と全く同じ気持ちだった。



怒り出した相方の態度を見て、妹はすごく私に同情してくれた。
二人で、ちょっと上に上がり、話したのだが、
妹も、「あれは、私だったらキレてる。大体、あなたは許しすぎるし、
もっと自分の幸せも考えないとだめだよ。」
と言ってくれた。
わかってる。
でも、彼は自称、
「人に自分のすることをとやかく言われるのが嫌な男」だ。
彼のことはなるべく尊重してあげたいと思う。
好きなようにすればいいと思う。
だから、私のしょうもないやきもちなんざ、
彼にとっては次元の低い話なのだ。
皆が面白がることを言って何が悪い。
それが彼の理由だ。
そして、それについて、ムカつく私はただの判んない奴なのだ。


どうしようもないことだと判っているのだが、
でも、何だかなぁと思うのは、私の修行がまだまだ足りないのかなぁと、
思うこの頃。