「数学は鬼門」の頃もあった・・・

今日は朝イチから仕事だったのだが、到着と同時に、
もう既に数学のヘルプを求む人が待ち受けていた。
すごいな〜と思うのは、こういうやる気満々の人だ。
聞くと彼女は、今日は授業が無いそうなのだが、
ラーニングセンターに朝イチから来て勉強している。
彼女は、私の持ち時間内、ずっと居た。
昨日も彼女は来て、真剣に勉強をしていた。
こういう人はきっと伸びるんだろうなぁと思う。


私の居る学校は、それこそ幅広い層の人がいる。
中には、もう何十年も学校から離れていて、でもキャリアアップしたいとか、
資格が欲しいとか、退職後起業しようとか、そういう人も居れば、
高校卒業したてという若者もいる。
アメリカは、そういう意味でも層が厚い。
老若男女問わず門戸を開いている。


数学ではなく算数の段階の人や、はたまた高等数学の人まで
私はAlgebraという、基本の算数から方程式と関数を主に教えているのだが、
皆一生懸命勉強している。
中には、「この問題のやり方を教えてくれればいいから。」という人もいる。
いわゆる、こつこつやるという、
ドカベン」でいう、小さな巨人里中くんや、
夜中、素振りを繰り返す山田太郎系または微笑三太郎系
(なんて書いて判るひとがいるのか?)
じゃないと、数学はダメなのだ。
中には、男岩鬼系(いわゆる天才系?)の、
当たれば大当たり、外せば三振タイプもいる。
私は全然器用じゃないので、殿間でもないし、強いていうなら・・・
太郎の妹サチコ。
声がでかい。態度がでかい。(あれ・・数学と関係ないし)


私は前にも書いたが、超文系の人間だ。
父のDNAを受け継いでいたら、
本当は理数系が得意になっているはずなのだが、
こればっかりは、頂けなかった。
小学校の頃、算数のテストの点が思わしくなく、
そのせいで学年の委員を降ろされた
(たまに授業を中断して打ち合わせに行かなくてはならないことがあったから。)
ことがある。
その頃から、「算数は苦手」と、自分でも思っていた。
高校浪人をした際、中学校の数学は、嫌というほど叩き込まれたおかげで、
高校一年前半の数学は、なんとかなった。いわゆる「数I」のレベルである。
それが、後半、「基礎解析」→「代数幾何」→「微分積分」→「確率統計」と
進めば進むほど、訳がわかんなくなっていた。
私は今でも覚えているのが、私がいつ数学でつまづいたのか?である。
それは、基礎解析の数列と、漸化式の部分を風邪か何かで休んだら、
ぜーんぜん、その10数ページが判らなくなり、
あっという間に、全然判らなくなっていた。
一日休んだだけで、ぼろぼろ。
今思えば、そこで取り返すぐらいの根性があればよかったが、
私はそういう意味で、へたれだった(笑)
でも、そんな細かいことを覚えている自分の脳みそも、
もうちょっとましなことに使えればいいのに、と今でも思う。


また脱線してしまったが、要は、私は数学が苦手な人間出身。
(今でも得意ではないのだが)
なので、もしかすると数学が超得意な人よりも、
苦手な人の気持ちがわかるのでは?とも思う。


今日教えた人の中に、因数分解に取り組む人が居た。
私もこれは、当初、一生懸命その公式やら何やらを覚えて、
それこそ、100回くらい同じような問題を解かされたのでは?
と思うくらいやらされた部分だ。
だから、その苦労も判る。
ノートを見せてもらうと、何のことやら。
というのも、教え方が違うのである。
大体、アメリカの数学って、結構回りくどっこしいのである。
私も教える際に、それに沿って教えなければならないのだけれど、
意外と、私の受けてない初等数学の部分だと、
私ですら説明されないと判らないということもしばしば。
ということで、そういう場合は、
「もしこっちのやり方の方がやりやすければ・・・。」という前置きをして、
「私の秘訣を伝授しよう。」と言って、
日本のやり方で教える場合もある(笑)


で、わりと、こっちの方がやりやすい、という人が多い。
改めてビバ日本の数学。


もちろん、機械的に覚えてしまっている部分もあるのだ。
例えば正負の数(思えば、これって多分、中学校の初めての数学だよね。)
足すをプラス、引くをマイナスなんて呼んで、
ちょっと大人になった気分だったのを覚えている。
これにxが入ってきた日には、ますます大人になった気分だった。
私は、そういう「どう思ったか」とか「どう感じたか」とか、
そういう記憶だけは、しっかり覚えている人間だ。

正直、どうやって、覚えたかというのは覚えていない。
ひたすら、+と−が隣り合ったら、−、とか、
同じ符号同士を掛けたり割ったりは、+とか、
そう言って聞かせて、問題の数をこなしてもらうしかない。


今度自称理系の相方に、どういう風に習ったのか教えてもらおうと思う。
アメリカの文化を知るというのは、こういうことでもあるんだなぁと実感。