メイクもシンプルになった


コスメを語らせると長いのだが、
メイクに関しては、
「あんた顔がいくつあっても足りないわよ」(by 母)と言われるほど、
集めた時期があった。
当時の私の言い訳は、
「顔は一つしかないけれど、一年は365日ある。」だった(笑)
仕事を辞めてアメリカに来る際、
「持って行けないし、捨てるのももったいない」
という理由で、同じ部署の女性陣に好きなものは持って行って頂いた。
それでも、引越し用のダンボール(大)一つは私のメイク道具として、
海を渡らせたのだ。
収集癖とも言うべき、あの頃の化粧品所有量は相当なものだった。
が、しかし、今となっては、その頃の在庫を今も消費しているため、
買うことも、非常に稀である。
新色を追いかけることも無くなり、もっぱら自分のお気に入りのいくつかの色を
使いまわすし、ファンデーションもあっさり、さっぱりとしたもので、
昔はメイクだけで30分を要していたのに比べ、
今は、10分という体たらくである。


そんな私でも必ずすることは、
眉を描くことと、ファンデーションを塗ること、マスカラを塗ることである。
リップは、グロスやリップクリームだけのこともあるし、
シャドウは、指でちょこちょこ塗る日もある。
でも、眉だけはかなり真剣である。
最近は、顔色が悪いのが嫌なので、
これにチークを入れることが多くなったが、
元々、ちょっとメイクしただけで、
ものすごくしているように見える顔なので、
このくらいが丁度いいらしい。


昔は、自分の顔はすごく地味だと思っていた。
ところがある日、化粧品売り場のカウンターでメイクをしてもらっていると、
「お顔立ちがはっきりされているので〜」
と、言われて、
「は?この人何言ってるの?」と思ったのである。
嘘をつくにもほどがある。こんな地味な顔の女に向かって何を言う!
と、怒っていたのだ。
お世辞を言うにもほどほどにしろ!と、このBAのお姉さんに対して、
とてもむかついていた。
喧嘩売ってるのか、それとも、適当なことを言って、
私に化粧品を買わせようとしているのか?とまで思った。


がしかしである。色々カウンター巡りをするようになり、
「どんな感じがいいですか?」と聞かれ、
「顔が地味なので・・・。」と言うたびに、
どこのカウンターでも、「何言ってるんですか?」
と言われ続けて、やっと自分の顔は、どうやらはっきりの部類に入るらしい、
ということに気づくのである。
どんなことでも自分を知るというのは良いことだ。


メイクも、引き算のメイクの方がしっくり来るということに気づいた。
グラデーションを付けることで、めりはりが出るということも、
ポイントを押さえれば、ちょっとのメイクでしっかり見えるということにも、
気がついた。


と言うことで、後半は、
しっかりメイクから、ナチュラルに見えるメイクに移行するのである。


あぁ、しかしあのコスメにかけたあの情熱って、
凄かったなぁと今更ながら思う。
本当に、凝り性とは、困ったものだなと思うけれど、
それをしたことで、今、在庫消費に精を出しているので出費が少ないという点では、
それも無駄ではないんだなぁと思うことにしている。
(そういうところだけ、楽観的という話もある。若気の至りってことで)