英語のリーディングの先生

最初に受けた、英語のリーディングのクラスの先生は、
私の書いたエッセイを涙を流して読んで下さったという。
なんとも私の不慣れな英語を読むのに苦労されたと思うので、
あまりに大変で涙が出たのかと思ったのだが、
当時、私は、うちの祖父が旧満州(現中国東北部←現在はこう表記しないとPCに引っかかるそうで・・・。)から、戦後、生後2ヶ月の母を連れて、
家族7人で引き上げした話を、ファイナルプロジェクトで書いた。
私が渡米して2週間後に、その祖父が他界し、
その葬儀には立ち会えなかった。私は祖父の昔の話を聞くのが好きだったので、
しょっちゅう会いに行っていたし、私の送別会にも来てくれた。
まるで私が日本を離れるのを見送るのを待っていてくれたかのように、
眠るように亡くなってしまった祖父。
私はその祖父の、若かりし頃の希望を胸に満州に渡り、祖母と出会い、
家庭を築き、そして終戦を迎え、混乱の中で、私の母が生まれ、
乳飲み子を抱えての帰国までのことを、
当時リーディングのクラスで読んでいた
ノンフィクションの主人公に重ね合わせて書いた。
私にとっては、ほとんど自己満足の世界で書いたエッセイだったが、
それでも書きたいことを書かせてもらって、
そして先生も評価してくださって、本当に嬉しかった。
今読み返すと、
もっともっと書きようがあっただろうと思う代物だが、
いい思い出のエッセイになった。