妹曰く


私の妹曰く、「おねえは、昔からお勉強好きだったもんね〜。」だそうだ。
それを聞いた時は、「え?私、勉強好きだったか??」
と、大して自覚もしていなかったのだ。
強いて言うならば、「興味を持ったことにはとことんハマる性質」であることは、
間違いない。


その昔、源氏物語にハマり、
円地文子谷崎潤一郎与謝野晶子瀬戸内寂聴田辺聖子大和和紀(漫画)と、
立て続けに読んだりした。
現在の女性像にも通じる、色んなタイプの女性が登場して
源氏を中心に、恋愛はもちろん、政治的なパワーゲーム、
当時の貴族の生活や文化を読むのが楽しかった。
でも、なぜか原文には手が出ず、色んな作家の解釈の違いなどを、
読むのが楽しかった。
がしかし、高校の古典の点数はさっぱりだった。


ある時は、紅茶にハマり、毎日色んな紅茶を飲み比べ、
淹れ方もこだわり、本も読みあさった。
あの勢いは、今にもインドかどこかの茶園に行き、
現地買い付けでもしてきそうな勢いだった。
ワインも好きだが、お酒に強くないので、
テイスティングしているうちに、酔っ払ってしまうので困っていた。
ある日紅茶の本を見たら、何だかこちらも、
産地、茶葉の種類、製造工程、茶葉の状態などで、
様々な種類に分けられており、奥が深そうだな、と思ったのが、
私の中での紅茶ブームの始まりだった。


またある時は、宝塚歌劇にハマり、ビデオを見て、
書籍を読み漁り、その当時の宝塚はおろか、昔の宝塚のことまで、
調べ捲くったこともあった。
が、しかし、誰のファン?と聞かれると、
一人に絞ることも出来ず、公演も見に行ったけれども、
並びをして出待ち、入待ちをしようとも、
生徒さんのお茶会に参加したいとも思ったことはなかった。
思えば、長い歴史と、歌劇や生徒の変遷などを追ったりすることと、
純粋にエンターテイメントとして歌劇を見るのが好きだったような気がする。


中学校から洋楽にハマり、とにかく思いつくものを何でも聴いていた時期がある。
これを言うと年がばれるが、
当時はレンタル産業が今ほど充実していなかった時代だったので、
もっぱら自分のお小遣いをはたいて買うか、
同じような趣味の友人にダビングしてもらうかだったと思う。
そしてこの洋楽の歌詞を辞書を引き引き訳しては、感動して、
なんていい歌なんだ!と思ったのが、英語にハマったきっかけだったと思う。
今は懐かしい、小林克也の「ベストヒットUSA」という番組を、
夜中、眠気をこらえて起きて、ビデオ録画しながら見ていた。
(予約して次の日に見るのも待ちきれなかった)



要は、かなりの凝り性であることは確かなのだが、
長続きしたものと言えば、
音楽と英語、そして読書だけだ。
それでも、どれも続いているだけで、
極めたと人に胸を張って言えるほどのものは、
何も無い。
色んなことをかじっているものの、どれもこれも
何となく中途半端だ。


でも、妹は、そうして、あぁでもない、こうでもない、と
本をひっくり返している姿を見て、「おねえは勉強が好き」
と思ったのに違いない。
正確に言うと、それは、「調べ物好き」ということであって、
勉強に繋がっているのか?というと、「?」であるが・・・。